RFIDとQRの比較
RFIDタグの導入は近年アパレル業界で利用が増加しており、私たちが目にすることも増えてきました。
          商品を投入するだけで会計ができるシステムは、人件費削減やヒューマンエラー防止の観点からも画期的といえます。
          しかし、利用環境や運用状況によりRFIDタグの導入が難しい場合も少なくありません。
          その場合はQRコードの採用がおすすめです。
QRコードについて
QRとは、Quick Responseの略称で、「素早く読み取って反応する」という意味があります。
1994年にデンソーウェーブ社が開発した二次元コードです。
          製造現場での工程管理や在庫管理をはじめ、現在ではコード決済に利用されるなど、その利用シーンは多岐にわたります。
QRコードの特長
- ・読取機器が比較的軽い
 - ・読取機器の価格がRFIDに比べて安い
 - ・1つずつ読み取る場合は読み取りの信頼性が高い
 - ・複数読み取りも可能
 - ・QRコードの自作が可能
 - ・貼り付け対象の材質を選ばない
 - ・QR自体にコストがかからない
 
QR運用はRFID運用に比べて全体的なコストが安く、QRコードの自作もできるため、自動認識技術を取り入れる1ステップ目としてとても有効です。
QRコードの特長とおすすめポイントについて
| 特長 | おすすめポイント・おすすめの環境 | 
|---|---|
| 読取機器が比較的軽い | 機器点検など長い時間読取機器を持ち運んでも負担が少ない | 
| 読取機器の価格がRFIDに比べて安い | システム化の1ステップ目として有効 | 
| 1つずつ読み取る場合は読み取りの信頼性が高い | 1つずつ確認しながら行いたい検品 | 
| 複数読取も可能 | 目の前のものすべてを読み取りたい入荷作業 | 
| QRコードの自作が可能 | 導入の手軽さ | 
| 貼り付け対象の材質を選ばない | 水分や金属が存在する環境 | 
| QR自体にコストがかからない | コストの削減が可能 | 
RFIDとの比較
| QR | RFID | |
|---|---|---|
| 読取数 | 1件ずつ ※複数も可能 | 一括 | 
| 重なった場合の読取 | 読取不可 | 読取可能 | 
| 読取距離 | 読取照射の届く範囲 | 電波の届く範囲 | 
| 遮蔽物がある場合の読取 | 読取不可 | 読取可能 | 
| 探索 | 不可 | 可 | 
| 読取の確実性 | 1件ずつ | 対象外も読み取る可能性がある | 
| ハードの重さ | 比較的軽い | 重い ※表示端末とセットの場合が多いため | 
| ハードの価格 | 比較的安価 | 高価 | 
| ラベル・タグの価格 | 安価 ※家庭用プリンタで印字可能 | 高価 | 
| ラベル・タグの作成 | 家庭用プリンタで印字可能 | 専用機器が必要 | 
| ラベル・タグのデータ書き換え | 再作成 | 可能 | 
| 汚れへの耐久性 | 大きな汚れはデータに影響 | データに影響なし | 
| 管理対象の制限 | 制限なし | 水、金属に弱い | 
QR運用のメリット
上記比較表のとおり、RFIDとの大きな違いは
          ・全体的なコストが安い
          ・1件ずつの読取が可能
          ・管理対象の制限がない
          です。
全体的なコストが安い
 システム化にかかる費用は、ハードウェア、ソフトウェア、その他タグなどの付属品に分類されます。
          QRコードはAndroid端末のカメラ機能でも読み取れるため、ハンディターミナルを必要としません。
          また、QRコードは自作することができ、一般的なプリンタで印字可能です。
          そのため、RFID導入と比べて機器にかかる費用と付属品にかかる費用を抑えることができます。
        
1件ずつの読取が可能
RFIDタグも1枚ずつ読み取ることは可能です。
          しかしながら、ハンディターミナルの電波照射の範囲は広く、届いた範囲のものはすべて読み取ってしまうため
          環境によっては読み取り間違いが多発してしまいます。
          それに対してQRの電波照射は直線なため、誤って読み取りをする可能性は低くなります。
          目の前のものを確実に読み取ることが必要な検品作業などに活用されています。
        
管理対象の制限がない
RFIDタグの弱点として貼付対象に金属や水が含まれている場合、電波干渉により読取精度が低下することがあります。
          金属対応タグや耐水性タグも開発されていますが、一般的なシールタグに比べると1枚当たりの単価は高めです。
          QRコードは管理対象物を限定しないため、様々な業界で活用されています。
        
QR運用のデメリット
反対にデメリットとしては
          ・探索ができない
          ・データの書き換えができない(QRコードの再発行が必要)
          ・汚れへの耐久性が低い
          です。
        
探索ができない
RFIDの読み取りは電波が届けば可能なため、ハンディターミナルを各方向へ向けて読み取りを行うことで
          読み取り対象の位置を把握することが可能です。
          QRコードは正面から読取照射を行うため、対象物がどこにあるか全く不明な段階で読み取ることができません。
        
データの書き換えができない
RFIDタグにはメモリが内臓されているため、データの書き込み、書き換えが可能です。
          QRコードは印字内容がデータであるため、データを変更する際には再印字が必要になります。
          一般的なプリンタで印刷が可能ですが、頻繁にデータの変更がある場合には不向きとなります。
        
汚れへの耐久性が低い
RFIDタグは内部にデータを持っているため、表面が汚れてもデータに影響はありません。
          先述の通り印字内容がデータであるQRコードは、印刷面が汚れたり破れたりしてしまうと
読み取りができなくなってしまいます。
          屋外での利用や、外部からの衝撃が多い環境では活用が難しいといえます。
        
QR利用システム事例
QR運用のメリットを活かした事例は多岐にわたります
物品管理B-TouchはQRコードにも対応しています
まとめ
QR、RFIDそれぞれにメリットデメリットがあり、導入の際には現場の環境やコストを見極めて選定する必要があります。
また、QRとRFIDは併用することができます。どの業務でRFIDタグを、どの業務でバーコード・QRコードを利用するかの業務設計が重要です。
RFIDタグの導入ハードルが高いと感じた場合は、まずQRコードで運用を始め、RFIDタグへ移行することも可能です。
ご不明点はお気軽にお問い合わせください!
            