RFID在庫管理システムとは

経済産業省では2015年から「IoTを活用したサプライチェーンのスマート化」を掲げています。
RFIDタグ、電子レシート、カメラ等のツールを用いて、店舗をスマート化することがねらいです。
さらに取得したデータを把握し、サプライチェーン内で共有することで最適な物流の実現を目指します。

RFIDを活用した在庫管理とは

RFIDタグを使用した在庫管理を行うには、RFIDタグの特徴と、バーコードやQRコードの違いを理解することが 必要になります。 それぞれに特徴があるため、現場の運用にあった方法を選択することが重要です。 また、RFIDを採用する場合はRFIDタグ、ハードウエア、ソフトウエアが必要となります。 ハードウエアにも様々な種類がありますので、選定が必要です。

RFIDとは「Radio Frequency IDentification」の略称です。 RFIDタグを読み取るハンディーターミナルやリーダー、アンテナのハード機器やRFIDタグなど読み書きをする情報媒体を含めた総称としてRFIDと呼びます。 また交通カードのSuicaなどの非接触ICカードも広義のRFIDとなります。
タグ自身の呼び方もRFタグ電子タグICタグRFIDタグ等があります。 JISで定められた呼び方は「RFタグ」となっていますが、弊サイト内ではネットやニュースなどで一般利用ユーザーの認知度が高い 「RFIDタグ」や「ICタグ」という呼び名でご紹介しています。
RFIDタグは、データを読み書きできるICチップに金属製のアンテナを接続した構造となっていて、この構造には電波方式(UHF帯)電磁誘導方式(HF帯)があり、それぞれの構造には特徴がありますので、導入する運用に合わせて選択をする必要があります。

またRFIDタグを利用するにはタグ情報を読み込むためのリーダーと呼ばれる機器が必要となります。
そのためお客様の運用用途によって導入するRFIDタグやリーダー、アンテナ等の機器が変わってきます。

バーコードやQRコードとRFIDの違い

私たちが目にするバーコードやQRコードを利用したシステムとRFIDを利用したシステムでは何が違うのでしょうか?特徴を比較しながらご紹介したいと思います。

RFIDの大きな特徴は、「複数のRFIDを一括して読み取りできる点」「離れた距離から読み取りができる点」 、読み取りするRFIDとリーダーの間に「障害物があっても読み取りできる点」 「汚れがあっても読み取りができる点」です。

バーコード/QRコード RFID
同時読み取り 一点一点読み取り 複数を一括して読み取り
読み取り距離 距離が離れると読み取りできない 距離があっても読み取りできる
対象との隔たり 障害物があると読み取りできない 障害物があっても読み取りできる
汚れの影響 読み取り出来ない 読み取りできる
保存データ量 データ量が少ない/多い データ量が多い
※UFH帯はQRコードより少ない
データ書き換え 不可能 可能(種類による)

RFIDタグやバーコード・QRコードの違いが理解できたら、次はそれをどう在庫管理システムに適用するか 検討が必要になります。
先ほどご説明したとおり、「バーコード」はラベル等に印刷されているのですが「スキャナー」や「ハンディターミナル」と呼ばれるデータを収集する機械で バーコード情報を直に読み取り、データとして利用します。

「RFID」はアンテナから電波を出すため、それを「RFID式ハンディターミナル」や「卓上式RFIDリーダー」で読み取ります。
RFIDの場合は電波を拾いさえすれば良いため、一括してまとめて読むことが可能です。 それに比べて「バーコード」の場合は「バーコード」が印刷された部分を一点一点読み取る必要があります。

また「バーコード」は認識の条件から、近い距離で読み取る必要がありますが、RFIDは電波が届く範囲であれば 遠い距離からでも読み取ることが可能です。この違いを必ず理解した上でRFID在庫管理システムのメリット・デメリットを紹介していきます。

RFID在庫管理5つのメリット

RFIDでの在庫管理には以下のメリットがあります。

  • 一括読み取りで時間短縮

    RFIDは対象となるデータを一括して読み取ることが一つのポイントです。「箱に入った製品を丸ごと読み取る」 「台車に載せた段ボール箱をまとめて読み取る」という、バーコードではなし得なかった離れ技の運用も実現します。 棚卸のような帳簿在庫の現物照合作業に威力を発揮します。2人で8時間かかっていた作業が、1人で1時間に短縮された事例もあります。
  • リアルタイムに在庫把握

    RFIDアンテナの上にRFIDタグを貼付した製品を置いて管理しておけば、製品の取り出しや返却を リアルタイムに把握する在庫管理も可能です。
  • 探索で棚卸の精度アップ

    RFIDタグは電波が届けば情報を返してくれるので、棚卸しなどの作業時に紛失した品を探す場合は 金属探知機で宝探しをするかのように紛失物を探し出すことも可能です。
  • 見えない場所も読取可能

    RFIDタグは遮蔽物があっても読取可能です。 段ボールを開梱して中身を一点ずつスキャンして、再度梱包していた作業も、 RFIDを取り入れることで箱をあけなくても中身の情報が分かるので 開梱・再梱包の作業いらずとなります。
  • データの書き換え可能

    RFIDタグはICチップにデータを書き込むので、リーダライターで再書き込みが可能です。 タグの種類により差はありますが標準的なタグでは約10万回の書き換えが可能といわれています。

RFID在庫管理3つのデメリット

反対にデメリットもあります。

  • タグの価格

    タグ自体がラベルより高価であるため、管理する対象が安価であるものには不向きです。 費用対効果をしっかり検討する必要があります。
  • タグの干渉

    細かいモノを箱にまとめて保管している場合も不向きになります。 タグ同士が近い距離で干渉してしまうと読み取り精度が低くなります。
  • 電波の制御

    狭いエリアで様々なモノを管理している場合、電波がいろいろなところに届くので、 対象外のタグを読み取る可能性が高くなります。 アプリケーションで対象外のタグを読み取らない処理が必要になるため、構造が煩雑になります。

RFID導入の判断ポイント

運用によってはFRIDに不向きな場合もあります。

向いている環境 向かない環境
・棚卸頻度が高い
・個品管理をしている
・管理対象数が1000点以上ある
・単価の高い物品を管理している
・管理対象に金属や液体が含まれている
・単価の低い物品を管理している

向いていない環境でもタグの選定で課題をクリアすることが可能です。
システム導入全体のコストと併せての検討が重要になります。

RFIDタグ・リーダーの選び方

RFIDを使ったシステム導入のポイントは、運用の業務体系にあったRFIDタグを選択して導入することです。

UHF帯 HF帯
方式 電波方式 電磁誘導方式
読み込み距離 通信距離が長い
※高出力のリーダーを使うと数m離れても読み取り可能
通信距離が短い
※数十cm程度
読み込み速度 早い 遅い
単体タグの読み取り精度 読み取り距離が長いため、一度に複数のRFIDタグを読み取ることができる 読み取り距離が短いため、単体のRFIDタグの読み取りが確実

RFIDタグの形状も様々です。管理対象の物品にあったRFIDタグを選択します。

形状 特徴 活用事例
ラベル・シール型 薄くて軽い。印刷対応可能。 アパレルの値札、製品パッケージなど
カード型 クレジットカードと同じ形状で頑丈。 社員証、交通系IC、ルームキーなど
コイン・ボタン型 小さく、シリコンやゴムで覆われていて、水、熱、圧力に強い。 リネンのクリーニング管理、パレットの個体管理
ハードタイプ プラスチックや樹脂で完全に覆われている。金属対応のものが多い。 金型管理、工具管理

RFIDタグが決まればリーダーライターを選定します。運用に合わせた形状を選択します。

形状 特徴 活用事例
定置型 電源をつないで使用する据え置き型のリーダーライター。PCやタブレットとセットで使用することが多い。 貸出返却など決まった場所での運用向き
ハンディ型 片手で持てる充電式のリーダーライター。Android端末とセットで使用することが多い。 棚卸など複数エリア内で持ち運ぶ運用向き
ゲート型 モノや人が通ることのできるゲート状になっている大型のリーダーライター。 かご車や人が通る運用向き

管理対象物や現場の運用を洗い出し、環境にあった選定を行うことが重要です。

システム導入ステップ

システム導入ステップ

お問い合わせ

メールや電話でお客様からお困りごとの相談をお受けします。

ヒアリング

さらに細かく現状の確認を行い、システム化で解決できる部分を探ります。

ご提案・お見積

ヒアリングの内容で、システムのご提案とお見積をいたします。

ご契約

ご提示の内容で問題なければ、ご契約になります。

要件定義

提案内容をもとに、開発に必要な内容を確認させていただきます。

開発作業

要件定義の内容に沿ってシステムの開発を行います。

納品

お客様ご指定の場所へ納品、導入確認にまいります。

まとめ

在庫管理は、在庫の見える化・在庫の圧縮を実現することで、不要在庫・滞留在庫の状況や過剰在庫を明確にして、 資産の廃棄を減らし適正な在庫量を保つことが必要になります。そのような管理で、キャッシュフローの改善と評価損を減らすことに繋がります。

また、各業務の作業効率を考えた場合に、どの業務ではRFIDタグを運用し、どの業務ではバーコード・QRコードで運用するのかの業務設計が重要になります。 すべてRFIDを導入すれば、問題解決とはならないことを理解していただければと思います。

RFID在庫管理システムの活用

  • 小売店での商品在庫管理

  • 店舗内の商品にRFIDタグを取り付けて在庫管理を行います。
  • RFIDタグが取り付けてあれば商品を数えることなく、在庫数を把握できます。
  • RFIDの特徴でもある一括読取を活かし、棚卸の時間短縮も可能です。
  • 工場内での固定資産管理

  • RFIDを導入することにより、広大な敷地内に点在している1万点近い固定資産棚卸の時間短縮ができました。
  • 棚卸にかかる作業時間が把握しやすくなったので、数年ごとに1度の棚卸の計画を立てられるようになりました。
  • また、資産の移動も管理できるのでエリアごとに行う棚卸の正確性もアップします。
  • RFIDを利用したパッケージ

  • RFIDを利用したパッケージも多数あります。
  • パッケージを利用することで導入コストの削減と納期の短縮が可能です。
  • 物品管理システムのB-Touchは「なに」が「どこ」に「どんな状態」であるかを簡単に把握できるシステムです。
  • 「持出・返却・棚卸」が標準搭載されている標準版と、「棚卸」のみのLight版と、「入荷・出荷・棚卸」が搭載されている数量管理版があります。
  • LEDタグ対応探索アプリのPIKACCHIは、物流現場でのピッキングミス防止や薄暗い場所での書類管理などに活躍します。
  • どちらも買い切り型のパッケージなので、ランニングコストがかかりません。

RFID在庫管理システム事例

RFIDの特色を活かして様々な業界で在庫管理システムが利用されています。

  • ■物流業界■ DX時代のRFID在庫管理システム

  • 物流現場において入庫から出庫までを管理します。
  • RFIDを導入することで入庫品の分割・同梱も可能になり、倉庫内を効率的に利用できます。
  • 在庫品の把握や棚卸を効率よく行うことができます。
  • ■医療業界■ 介護用レンタル・販売品の在庫管理をRFIDで!

  • 介護用品の入荷時にRFIDタグを貼り付けます。
  • 形や大きさがさまざまで、保管場所も複数箇所に分かれることが多いですが、RFIDタグで管理しているため
    在庫数の管理も、レンタル時の商品検索も、目視で行うよリも大幅な時間短縮となります。
  • 一つ一つが個体管理されているため、出荷の際には出荷指示書をもとに出荷品を探すことも可能です。

よくあるご質問

一度に何枚読めますか?

数十~数百枚を一括読取可能です。
※RFIDタグの陳列状態や周囲の環境によっても異なります。

読取距離は何mですか?

使用するRFIDリーダライタとRFIDタグによって異なります。こちらopen_in_new もご参照ください。
※高出力型リーダライタやRFIDタグに内蔵されるICチップやアンテナサイズにも依存します。

段ボールの中でも読めますか?

読み取り可能です。電波を透過させる素材であれば開梱の必要がありません。

タグは再利用できますか?

ICチップを書き換えることで再利用する事ができます。ただ、ラベルタイプは一度剥離してしまうと粘着力が低下してしまいます。

タグの寿命は何年ですか?

外的要因による損傷(ICチップやアンテナの破損)がなければ10年とされています。
※RFIDタグデータシートより

RFID在庫管理システム導入をご検討の方へ

ケーウェイズは年間200件以上のRFID事例に携わっております。
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