自動認識媒体

QRコード&RFIDのメリット・デメリットを大解剖

QRコード&RFIDのメリット・デメリットを大解剖見出し 自動認識媒体

弊社ケーウェイズは自動認識の技術を用いたシステムソリューションを展開しています。

自動認識の技術であるQRコードやRFIDを利用して現場改善のソフト開発をしますが、打ち合わせ時点でユーザー様が基本的なQRコードやRFIDの特徴を理解して頂くと、更に現場に合致したシステム導入の検討が出来ます。

そこで今回はQRコードとRFIDのメリットとデメリットをご紹介。

ご理解いただくことで、より具体的な仕様の取り決めや予算に応じた設備機器の選定、運用にどちらの自動認識の技術が合致するかをご一緒に検討しながらプロジェクトが進められます。

QRコードやRFIDに機能差があるとは思わなかった。単語は知っていたが詳細な点は知らなかった。恥ずかしくて今さら誰にも質問できなかった、今回の記事を通じて理解を深めて頂ければと思います。

QRコードを用いたソリューション導入メリット

QRコードはRFIDに較べてどのような点が運用メリットなのでしょうか?特徴的な部分をご紹介したいと思います。

QRコードを用いたソリューション導入メリット

読取り機器の重量

QRコードを読み取る場合は「ハンディターミナル」や「ハンディスキャナー」と呼ばれる機器を利用しますが、RFIDに比べ準備する機器が少なく済むため軽量でお手軽にシステム導入が行なえます。

RFIDの導入もQRコード同様にRFID専用のハンディターミナルのみでシステム導入が可能です。

しかしRFIDは読取り効率を工場全体で上げる運用を構築する場合も多く、アンテナを設置したゲートや読み取り機の導入、卓上式の読み取り機などが必要となります。

そのため導入する機器の数が多くなり全体的な重量が重くなる傾向にあります。

導入機器の価格の優位性

機器の重量もですがRFID利用時にゲート設置などが必要になると導入機器が多くなるため、QRコード運用の方が価格面の優位性が高くなります。

※RFID専用ハンディターミナル1台での運用開始の場合は価格面の優位性はほぼ変わりません。

QRコード読取りの確実性

QRコードは基本的に1つ1つを読み取る運用のため確実にQRコード内の情報をハンディターミナル等の機器で判断。読取りの確実性が高い運用を実現できます。

※一部の機器ではQRコードをまとめて読み取る機種もあります。

QRコードの印刷難易度

QRコードはコード内の情報が決定すれば汎用的なプリンターで印刷が可能なため、運用のハードルが非常に低いツールです。

RFIDは印刷とは別にタグ内に情報を書き込む (エンコード) 必要があり、専用のプリンターやRFID専用ハンディターミナルでエンコードするためQRコードの印刷に比べると情報書き込みの難易度が高いです。

金属や水の読取り対応

金属や水を含む製品にQRコードを貼り付けても問題なく読み取れますが、一般的なRFIDは読取りが難しい場合があります。

そのため金属や水に強い専用のRFIDを用いる必要があります。

データ保存容量

QRコード内に保存可能なデータ量はRFIDの約184倍。より多くのデータを保存して読取り把握したい場合はQRコードの利便性が高いです。

※但しデータ容量が多くなるとQRコードの面積が大きくなるため貼り付け場所の確認、スキャン後の表示処理に時間がかかる場合があります。

RFIDを用いたソリューション導入メリット

今度はRFIDの導入メリットをご紹介します。QRコードではなかなか難しい運用が改善&実現できるのがRFIDの大きな特徴です。

RFIDを用いたソリューション導入メリット

取付け対象物のまとめ読取り

RFIDの大きな特徴の1つの「まとめ読取り(一括読取り)」。

ダンボールに複数入った対象物やアパレル店舗で見かけるレジ支払い時の一括読取り運用はRFIDだから出来る運用です。

対象物が重なった読取り

書籍やファイルを重ねている、掛けてある洋服の下げ札が他の洋服が重なり隠れている、展示している商品の裏面にRFIDが取付けてある。

対象品が重なりRFIDが直接見えない状態でも読取りが出来るのは電波を利用したRFID運用の特徴の一つです。

対象物の読取り時間

POSレジや箱に入った複数製品を一括して読取るため、QRコードと違い一つ一つ読取りが不要なRFIDはスキャン作業の時間を大幅に短縮させます。

過去の導入事例ですが20倍ほど時間短縮の効果が見込めたプロジェクトもあります。

対象物との読取り距離

RFIDは電波を通じて読取りを行う運用のため、多少離れた位置から読取りが可能です。

電信柱など貼り付け箇所が高い場所にある、ワイヤードラムなど対象物が大きい、障害物があり物理的に対象物に近づきにくい現場環境などで効果を発揮します。

対象物の紛失時の探索

電波を利用した運用のため「探索」という機能を設けておくと、対象製品が紛失した場合に金属探知機のように、どこにあるか探索が可能です。

工場で利用した工具が正しい場所に戻っておらず現場に置かれたままになっている。工場内を探索して紛失した工具を調査する。

アパレル店舗の棚卸しでアイテム数が合わない場合に探索するなど、現場に合わせた探索が可能です。

対象物ラベルの耐汚れ

QRコードはコード自体が汚れてしまうと読取りができない場合があります。

しかしRFIDは印字ではなくチップにデータが保存され電波を通じて読取りを行うので、油汚れや粉塵、塗装のラベル自体が汚れる環境でも読取りが可能です。

QRコードとRFIDのメリット&デメリット比較

QRコードとRFIDの主なメリットとデメリットをご紹介しましたが、それ以外の特徴も含めて一覧表に整理してみました。どのような特徴があるか気になる場合は御覧ください。

QR
RFID
障害物との
関係性

読めない

読める
ハード価格

安価

高価(ゲート利用時)
ラベル価格

安価

高価
ラベル印刷
難易度

一般プリンタで印刷

専用機器が必要
情報の
書き換え

書き換え出来ない

書き換え可能
耐汚れ

印字が消えるとNG

汚れOK
金属や水

制限なし

対応タグあり
保存情報

サイズにより 異なる
最大 モデル1:468桁
モデル2:2,953桁
マイクロQR:15桁 桁
(半角文字換算)

最大 12桁or16桁
(半角文字換算)
読取数

1件ずつ

一括
重なり読込み

読めない

読める
読取時間

作業時間 変わらない

作業時間 短縮
読取距離
(読取場所)

正面から

電波の届く範囲
機器重量

軽い

重いゲートなど
探索

探せない

探せる
確実性

1件のみ

複数件数

RFIDが得意とするソリューション

RFIDのメリットをご紹介しましたが、実際のソリューションではどのような現場環境で利用されているのでしょうか?弊社の導入事例を踏まえながらご紹介したいと思います。
RFIDが得意とするソリューション

対象物を一括で読取り

工場の倉庫や店舗のバックヤードの棚には箱詰めされた部材・材料・製品を保存しており、棚で管理している在庫数を一括で読取りたい棚卸し作業に利用されます。

また工場の工程間の移動時に製品や通い箱に取付けたRFIDを読取り、工程間の在庫数の管理や製品倉庫への入荷数の数量把握に、RFIDを読み取るゲートを通過させて数量の読取りを行います。

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離れた場所からの読取り

携帯ショップで壁に飾られ販売しているスマホケースや充電ケーブルは、棚卸しの運用時に離れた場所からハンディターミナルをかざすことで、製品ラベルに内蔵されたRFIDを読取り数量把握を行います。

またケーブルを巻いたワイヤードラムや、鉄ロール・銅線ロールなどの対象物が大きい個体管理を実施する際に、どこにラベルが貼り付けられているか分かり難い場合でも、離れた場所から読取り作業が可能となります。

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重なった対象物の読取り

アパレルショップの棚卸しでは今までは下げ札のバーコードをスキャン、または目視でSKU情報を確認していました。

下げ札にRFIDが内蔵されると店舗ディスプレイの状態を崩さず読取り作業が行え、1枚1枚下げ札の確認は不要。

折りたたんだ状態の商品を広げたり、もう一度折りたたみ直したりと余計な手間が減り棚卸し作業が大幅に省力化されます。

対象物との間に障害物がある読取り

医療現場で患者様に管理用のリストバンドを付けている場合、リストバンドにRFIDが内蔵されていると布団を剥がさずにリストバンド情報を読み取れるます。

患者様が寝ている状態で直接触れずに個人確認や投薬の確認作業が可能です。

RFIDが得意とするソリューション事例

貼付け位置が非定位置の運用

RFIDを設置している対象物の高さが違う場合や位置が異なる場合に読込み効果を発揮します。

ヘルメットに貼り付けたRFIDの読取り運用は各スタッフの身長差があるため有効です。

同様に白衣やクリーンルームのクリーンスーツ(防護服)を着用状態でスタッフ数の管理をする運用では衣服内にRFIDを内蔵させますが、体格差による丈の違いがあってもRFID読取りは有効です。

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対象物の探索が必要な運用

RFIDは電波を飛ばして読取る運用のため対象物を指定すると金属探知機のような「探索」が可能です。

物流センターで出荷管理している商品や倉庫内の治具や工具、鍵の紛失、見た目が類似している備品や製品の特定などに探索機能は非常に有効です。

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汚れがある環境でのラベル読取り運用

RFIDは表面の印刷面に情報を印字しますが、ICタグ内に情報を保存するため、印刷面が汚れてしまってもハンディターミナルで読取りが可能です。

QRコードやバーコードはコード自体が汚れてしまうと読取りが出来ない恐れが高くなりますが、電波を利用しているRFIDは汚れによる読取り問題は一切関係ありません

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既存のバーコードやQRコード運用の更なる省人化

バーコードやQRコードの運用は手作業に比べると格段に作業ミスが無くなり精度向上と確認作業にスピードアップに繋がりますが、1つ1つ読取る運用が必須となります。

そのため先にも触れたダンボール内の数量確認、店舗の展示品の棚卸し、重なっている商品の読取り運用などでは、1つ1つ読取る運用をRFIDで一括読取りに変えるだけで、作業効率が飛躍的に向上します。

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記事のまとめ

如何でしたか?QRコードとRFIDのメリットとデメリット、RFIDの得意とするソリューションをおわかり頂けたのではないでしょうか?

弊社ケーウェイズはQRコードを利用したソリューション、RFIDを利用したソリューションそれぞれ実績、経験がありますので、お気軽にお問い合わせください。

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