RFIDはさまざまな業界で浸透しつつあります。
その中でも最近需要が伸びつつあるのが「医療業界」です。
医療業界でRFID?どうやって使うの?をわかりやすくお伝えします。
医療業界での自動認識技術

医療業界での自動認識技術
医療業界では「医療機器バーコード表示義務化」が施行されています。2022年12月より開始されていて、対象の製品にはGS1-128というバーコードを用いて「製品番号(GTIN)」「有効期限」「ロット番号」を表示することが必須です。
バーコード表示義務化の理由は大きくわけてふたつあります。
一つめは製品の取り違え防止です。処置の前に必要な器具のバーコードやQRコードを読み取ることで、誤った器具の使用を防ぎ、患者さんの安全を守ることができます。
二つめはトレーサビリティの確保です。製造・流通から使用・廃棄までの全工程でロット番号、有効期限、シリアル番号を追跡可能することで、問題が発生したときに迅速な対応と安全管理を強化することができます。
上記のように、医療業界ではすでに自動認識技術の一つである「バーコード」や「QRコード」の導入が進んでいるということになります。
医療業界における課題
医療業界はどんな課題を抱えているのでしょうか。
医療業界の主な課題の一つめは人手不足です。夜間勤務や緊急対応、夜間シフトなどの体力的な問題からも医師や看護師が不足しています。そのうえ事務作業が多く、本来の医療行為に割く時間が少ないというのも人手不足の一因です。
二つめはヒューマンエラーのリスクです。命と向き合う環境ですので、ヒューマンエラーをなくすことは大きな課題の一つです。すでにバーコードやQRコードの導入が進んでいますが、大きな医療機関では毎日たくさんの種類の医療器具が納入され、使用され、廃棄されます。形や名前が似たものも多く、目視での確認だけでは不完全なことが実状です。
それでは、RFIDを導入するとどういう効果が得られるのでしょうか。実際の医療現場へ弊社が導入した事例をご紹介いたします。
システムのポイント

システムのポイント
すでに添付のRFID利用で検品作業の効率アップ
医療機器バーコード表示義務化については先述した通りですので、検品作業には表示されているバーコードを使用していました。バーコードを読み取ることで、目視確認に比べるとヒューマンエラーや時間削減はかなえられていましたが、やはりひとつひとつ読み取る必要があるため、医療機器数に伴う工数が発生していました。
実は医療機器によってはすでにRFIDタグが添付されているものもあります。しかし、RFIDタグだけでは活用することができません。RFIDタグを読み取る機器(リーダーライタ)やデータを処理、表示するシステムが必要となります。
今回、機器とシステムを導入し、RFIDタグ一括読取の特長を生かして検品作業のさらなる効率化を図ることに成功しました。
RFIDタグがない製品にはタグ発行機能でタグをつけることが可能
RFIDタグが添付されていない医療機器に関しては、表示されているバーコードを読み取り、同じ内容のタグを発行するタグ発行機能を搭載したため、すべての医療機器にもれなくタギング(タグ付け)を行うことに成功しました。
システム構成と運用イメージ

システムに必要な物
このシステムで必要なものは
- リーダーライター
- 作業用PC
- RFID対応プリンタ(タグ発行用)
です。
検品の場合は1.リーダーライターと2.作業用PCを使用し、タグ発行の場合は2.作業用PCと3.RFID対応プリンタを使用します。
タグ発行の手順
①入荷した医療品についているバーコード(GS1-128)を読み取り、RFIDラベルプリンタからRFIDラベルを発行
②発行したラベルを製品に貼り付け
検品の手順
①検品ゲートで製品のタグ読取を行い、実績データを作成する。
②実績データを上位システム(既存の入出荷システムなど)に共有する

タグ発行・検品の画面イメージ
その他の活用方法
GS1-128のバーコードを利用している業界であればどこでも利用が可能です。最近は医療業界だけではなく、食品・食肉業界、流通・物流業界など幅広く利用されています。
医療業界向け棚卸アプリ「PACKED-20T」
今回ご紹介したシステムはオーダーメイドとなりますが、弊社には「PACKED-20T」というパッケージ製品のご用意もあります。こちらはGS1推奨RFID準拠フォーマットPackedObjectsに対応した棚卸アプリケーションです。
独自で開発したPackedObjectsのデコードライブラリ を使用しており、ライブラリのみの販売も可能です。
GS1-128のバーコード情報が書き込まれているタグを読み取り、Android端末に表示することで「製品番号(GTIN)」「有効期限」「ロット番号」が一目瞭然。有効期限切れのものを強調して表示することで棚卸の精度と効率がぐっと上がります。
システム導入をご検討されている方はぜひこちらもご覧ください。
まとめ
今回は医療業界でのRFID活用事例についてご紹介しました。
バーコードやRFIDの導入が進む中、今あるタグを有効活用できていないことも多くあります。このタグ何かに使えないかな?そんな疑問をお持ちになった際はケーウェイズまでお気軽にご相談ください。お客様の業務運用に合わせたご提案が可能です。


